建築家は用心棒/塚口明洋建築研究室

住宅・集合住宅・病院・高齢者施設の設計 ,住まい教育

建築家は”用心棒”
「七人の侍」          『建築と社会』1993年7月号掲載

(設問1)
 年に36~38本程度。

(設問2)
 シーンの持っている力強さと、シーンの展開の調子。
 最近の映画では、「プロスペローの本」と「そして船は行く」が印象的でした。

(設問3)
 映画の中には、人生の生き方に対するテーマをいつも感じています。
 「髪結いの亭主」は幸せだなあとか、「アラビアのロレンス」をつくった監督の心のやさしさが好きだとか、「惑星ソラリス」は、そうか、人間の世界のことをいっているのか。「そして船は行く」の失われていく偉大な世界への愛情に共感を覚えます。
 「明印こ向かって撃て」のポール・ニューマンとロバート・レッドフォードはカッコいい。ボリビアの駅に降り立ち、そこで銀行強盗を働くシーン。時代の流れに関係なしに生きている人間の馬鹿らしさ、美しさが描かれていて好きだ。(この映画を観て、よし!将来は自分で設計事務所をやろうと思った?)
 「シャイニング」は、時間の流れが止まったようなドキドキする演出がすばらしい。「インディ・ジョーンズ」は、その正反対の次から次に展開するシーンのおもしろさが好きだ。「未来世紀ブラジル」は、アイロニーの効いた管理社会批判がスマートで素敵だ。そして、僕は映画監督を尊敬しています。「アラビアのロレンス」のデビッド・リーン、「そして船は行く」のフェデリコ・フェリーニ、「シャイニング」のスタンリー・キューブリック、「プロスペローの本」のビーター・グリナウェイ、「七人の侍」の黒澤明。
 「プロスペローの本」。このシナリオのように、また、ピーター・グリナウェイのように、建築が設計できればよいと思う。
 「七人の侍」。浪人たちが村を救うという設定は、いつも僕が仕事をしながら頭に描いているイメージです。建築家って、一種の用心棒ではないかと思うことがあります。ヤクザ同士の抗争で、「先生、お願いします。」といわれて、「よし!」と答える。そんな浪人に、僕は憧れています。