巽病院老人保健施設/塚口明洋建築研究室

住宅・集合住宅・病院・高齢者施設の設計 ,住まい教育

巽病院老人保健施設


竣工年 1999年
建築主 医療法人マックシール 巽病院
所在地 大阪府池田市
面 積 8746.05㎡
構 造 RC造 
規 模 地下1階地上5階

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高齢者福祉施設について

”高齢者福祉施設”では、この4年間、巽病院老人保健施設の計画,建設,運営を通して感じたことを中心に、みなさんが高齢者福祉施設を考えられるにあたって参考になるような情報を集めてみました。どのような手続きが必要なのか、誰が事業主になれるのか。事業収支はどうなのか。
そして、施設の理念としては何を目指しているのか。介護保健の制度。運営上の注意点等について具体的に書いてみたいと思います。
私たちは、完成後も施設内での生活・運営上の問題点等について週1回のミーティングにより、ソフト面での企画・運営を行うことで、積極的に展開しております。
巽病院老人保健施設の提案及び完成後の検証により、高齢者福祉施設での高齢者の方々にとっての快適な暮らしとは何なのかについて把握できたのではないかと確信しております。

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私の住みたい高齢者福祉施設

高齢者福祉施設を考えるときに、これは特別な施設を考えることではなくて、人間が自然に暮らせる普通の気持ちのよい建築をつくることだと思います。

私は、何もすることがなくても、まるで公園のベンチに座っているようにずうっとそこにいられるような、そんな場所があちらこちらにある施設に住みたい。

巽病院老人保健施設を設計し、そこでの生活と接するまでは、高齢者にとって住み慣れた在宅での生活が一番だと考えていました。しかし、今回の経験を通して、そうではなくて施設のあり方、建築及び運営のあり方によっては、施設で在宅よりもすばらしい暮らしができるのではないかと思うようになりました。確かに住み慣れた家はすばらしいかも知れませんが、「住み慣れたまち」を離れさえしなければ、きっと快適で楽しい生活ができるという確信を得ました。

建築的には、スウェーデン、デンマークに見られるサービスハウス、コレクティブハウスの形態ができればより快適な暮らしができると思います。
日本で、どのようなシステムが可能なのか提案していきたいと思っています。

あらゆるテクノロジーが、高齢者の身体的、精神的自由を確保するための「補助器具」であってほしいと思います。

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巽病院老人保健施設の建設記録

コンセプトの作成
1995年巽病院との数回にわたる議論の中から、今回の施設の中心になるコンセプトを作成する。

第1は、時間がたてばたつほど魅力の増す建築であること。
第2は、骨組みは頑強で内部はフレキシビリティーのある建築であること。
第3は、自然の変化を感じられる建築であること。
第4は、日本の伝統、文化を感じさせる建築であること。
第5は、「らしくない」建築であること。
(病院らしくない、老人保健施設らしくない) 

開発及び確認申請
老人保健施設は、建築基準法的に、病院でも福祉施設でもない位置づけになっているため、開発行為の伴う計画では開発申請が必要になった。

TATSUMI FORUMスウェーデンに学ぶ在宅介護
1999年4月19日、第1回TATSUMI FORUMを開催し、今後5年間1年に1回スウェーデンより高齢者福祉の専門家に来ていただき議論する機会を持ちます。

補助申請手続き
スケジュール上、基本計画段階で、補助申請手続き用の図面を作成する必要があり、面積、プランが固定されてしまう。これは、よい施設を設計していく上では、最適な方法とは言えない。
改善が望まれる。

実施設計・工事監理
設計上は、床面の段差を設けないことと、屋外への出入口の雨仕舞を両立させる事が困難であった。高齢者の移動スペースに手摺を設けた。中央部に設けた中庭は、そのまわりの通路とともに、生活者の共通イメージの形成に役立っている。

企画・運営
5月1日オープンより毎週1回のブレーンストーミングを続けています。
施設内での生活イメージの方向性を探っています。
「自立支援」「尊厳を守る」「在宅ケアを支援」をテーマにしていますが、具体的な各々のケースでどうすべきか、問題はいくらでも出て来ます。
今後も地域密着型の施設を実現するためにシステムづくりを行っていきます。
より地域の人々に利用していただくための広報も大切な仕事です。

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